イラレの画像埋め込み基本知識を解説!注意点やリンクとの違いも紹介

こんにちは!パネルプラス(株式会社TMF)です。

「イラレ(Illustrator)で画像埋め込みをしたいけど方法がわからない」
「画像埋め込みにはどんなメリットがあるの?」
皆さんのなかには、このように考える方も多いのではないでしょうか。

今回はイラレの画像埋め込みを詳しく知りたい方に向けて、
画像埋め込みの方法やメリット、埋め込みのコツなど基本知識を解説します。

最後までご覧になれば、埋め込みとリンクの違いや
困ったときのQ&Aなどのお役立ち情報も得られます。
ぜひ、参考にしてください。

イラレの画像埋め込み3つのメリット

イラレ(Illustrator)で画像の埋め込みを行うメリットは、主に以下の3つです。

  • ファイル管理がしやすくなる
  • リンク切れのトラブルが起きなくなる
  • デバイスを選ばず表示ができる

それぞれ詳しくみていきましょう。ます。

ファイル管理がしやすくなる

画像を埋め込みにすると、それまで別々に保存していたイラレと画像のファイルが1つになります。
これにより、データが一元化され、画像をいろいろなところから参照しなくて済むようになります。

イラレ1つで画像の管理ができることは、制作者にとって大変便利です。
イラレからプレビューをみた場合も、埋め込みなら詳細な情報が確認できます。

リンク切れのトラブルが起きなくなる

画像埋め込みのメリット2つめは、リンク切れのトラブルが起きなくなる点です。

▼リンク切れになると以下のようなエラーが出てきます▼

入稿の際にリンクが切れていると、印刷会社から差し戻されてしまいます。
リンクが切れた状態で印刷をすると、その部分だけ画像が抜けてしまうためです。

埋め込みを推奨する印刷会社が多いのは、リンク配置によるエラー回避のためです。
印刷会社から差し戻しを受けると、その分納期が遅れてしまいます。

思いがけない納期遅れを避けるためにも、
入稿用のデータは埋め込みにして提出する方がよいでしょう。

デバイスを選ばず表示ができる

画像を埋め込むと、どのデバイスで開いても画像が表示できるようになります。
リンクの場合、元の画像が保存されているデバイスで表示しないと、エラーが出てしまいます。

仮に元の画像を削除しても、一度埋め込んだ画像はイラレ自体から削除しない限り表示が可能です。

イベントのポスターやパンフレットなどチームで1つの印刷物を制作している際は、
どの端末でも表示可能な埋め込みが便利です。

イラレの画像埋め込みを3パターンで解説!

イラレの画像埋め込みは、3つのパターンで行えます。

  1. ファイルからの埋め込み
  2. リンク配置からの変更
  3. 一括埋め込み

ここでは、それぞれの操作方法を詳しく説明します。
埋め込みたい画像に合わせて最適な方法を選びましょう。

1.ファイルから埋め込む

画像をファイルから1枚ずつ埋め込みする方法を紹介します。

手順は以下の通りです。

  1. 上部のメニューから「ファイル」を選ぶ
  2. 選択したら「配置」をクリックする
  3. 埋め込みにしたい画像を選ぶ
  4. 下部にある「リンク」のチェックを外してから「配置」をクリック

ファイルから画像を配置するだけのため、簡単な手順で行えます。
画像埋め込みをするなら、覚えておいて損はありません。

2.リンク配置からの変更

リンク配置から画像埋め込みに変更する方法を紹介します。

  1. 上部メニューから「ウィンドウ」を選択する
  2. ウィンドウの一覧から「リンク」をクリックし、リンクパネルを開く
  3. 埋め込みに変更したい画像をリンクパネルから選ぶ
  4. 右上のリンクオプションアイコンを開き、「画像埋め込み」をクリック

ファイル形式が「リンクファイル」から
「埋め込みファイル」に変更されていれば、作業は完了です。

こちらは、既にリンクで配置されている画像を埋め込みに変更する場合に便利な方法です。

3.一括埋め込み

画像を一括で埋め込みする方法もあります。
手順は次のとおりです。

  1. 上部のメニューから「ウィンドウ」を選ぶ
  2. ウィンドウの一覧から「リンク」をクリックし、リンクパネルをオープン
  3. 埋め込みする画像をすべて選択
  4. そのままイラレの画面にドラッグアンドドロップする
  5. リンクパネルに表示されたファイル名を、shiftキーを押しながらクリック
  6. 一括埋め込みする画像を選ぶ
  7. リンクオプションアイコンの「画像埋め込み」をクリック

ファイルの形式が「埋め込みファイル」になっていれば成功です。
リンク画像をすべて埋め込みにしたい場合に役立つため、ぜひ覚えておいてください。

イラレで画像埋め込みする際の注意点

画像埋め込みする際の注意点として、以下2つの項目を解説します。

  1. データ容量が増えて重くなる
  2. 画像を修正したら再配置する必要がある

ここで解説するポイントに気をつけることで作業が効率的になり、
入稿トラブルやエラーも起きにくくなります。

1.データ容量が増えて重くなる

画像埋め込みを行うと、イラレファイルのデータ容量が大きくなります。
そのため、ファイルの処理や表示が重くなってしまいがちです。

データ容量が大きいと、ファイルの保存・転送にも時間がかかります。
PCのスペックによってはメモリが足りず、
ファイルを開けないままエラーが出て止まってしまう恐れもあります。

画像埋め込みを行う際は、データサイズやPCの処理能力に注意してください。
もしファイルが重くて表示に時間がかかる場合は、リンク配置にする方がよいでしょう。

2.画像を修正したら再配置する必要がある

埋め込んだ画像の元データを修正したり変更したりした場合、イラレの方は自動更新されません。
したがって、元データに手を加えた場合は画像を再度埋め込む必要が生じます。

修正のたびに埋め込み作業をするのは面倒です。
画像の埋め込みは、元データを仕上げてから行うのがよいでしょう。

イラレの画像埋め込みに役立つ5つのコツ

イラレで画像を埋め込みする際に押さえたい「5つのコツ」を紹介します。

  1. 置き換え作業を行う
  2. トレースでは拡張処理を行う
  3. 保存オプションの設定を行う
  4. 画像の色を調整する
  5. 背景を透明化する

これらのコツを理解しておくと、イラレの使い勝手が向上します。
ぜひ、覚えておきましょう。

1.置き換え作業を行う

埋め込みした画像を変更する際には、置き換え作業が必要です。

変更手順は以下の通りです。

  1. メニューから「ウィンドウ」を選択
  2. ウィンドウから「リンク」をクリック、リンクパネルを開く
  3. リンクオプションアイコンから「リンクを再設定」をクリックする

埋め込み画像を変更したくなったときに便利なため、ぜひ知っておいてください。

2.トレースでは拡張処理を行う

埋め込み画像の背景を削除するために「拡張処理」を理解しておきましょう。
背景削除にトレースを行う場合、拡張処理が必要です。手順はいたって簡単です。


まず、コントロールパネルの拡張ボタンをクリックします
次に画像をパス化すれば拡張処理
ができます。

拡張処理をしないと画像の形が変形する可能性があるため、注意が必要です。

3.保存オプションの設定を行う

保存オプションからも画像の埋め込みが行えます。

便利な機能ですが、1つ注意点があります。
それは、保存オプションから画像を埋め込むと、配置した画像すべて自動的に埋め込まれる点です。

すべて自動埋め込みになるため、
色やサイズが変わるなど思いがけないトラブルにつながる恐れがあります。

チェックボックスの「リンクファイルを埋め込む」にチェックが入っている場合は、
外せば解除されます。

4.画像の色を調整する

画像埋め込みの前後で、色が変わるケースがあります。
原因は主にカラー設定です。
RGB形式の画像をCMYKカラーモードのドキュメントに埋め込むと、
微妙に色が変化してしまいます。


▼以下のように、イラレは基本的にCMYK形式になっています▼


この場合、別のソフトでRGBからCMYKに変換しましょう。
そのあと、画像埋め込みを行えば、元の色のまま埋め込めます。

5.背景を透明化する

画像埋め込みの際に背景が白くなっている場合、
背景レイヤーが透明化されていない可能性があります。

イラレの背景色は透明がデフォルトです。
画像の編集中に背景色を変更したのであれば、背景色を透明に戻しましょう。

それでも白くなる場合は、埋め込んだ画像のリンクをいったん解除します。
画像のファイル形式を「.tift」や「.png」へ変えてから再度埋め込みすれば、透明化が可能です。

リンクとは?埋め込み・リンクの違いと確認の仕方

「リンク」とは、PC内にある画像のパスを参照して表示する方法です。
ここでは、埋め込みとリンクの基本を以下の2点に絞って解説します。

  1. 埋め込みとリンクの違い
  2. 埋め込みとリンクの見分け方

両方の特徴を理解し、作業に適した形式を用いるようにしましょう。

1.埋め込みとリンクの違い

埋め込みとリンクにどのような違いがあるのか、以下の表にまとめました。

埋め込みリンク
保存形式イラレに直接保存画像のパスを参照
リンク切れ元画像を移動しても切れない元画像の移動で切れる可能性有り
元画像の編集埋め込んだ画像に反映されない埋め込んだ画像に反映される

用途として、埋め込み画像は「入稿用のデータに仕上げるためのもの」で、
リンクは「作成中ファイルの利便性を高めるもの」です。

2つの手法を用途に応じて使い分け、デザイン制作を効率的にしましょう。

2.埋め込みとリンクの見分け方

埋め込みとリンクの見分け方は、2種類あります。

まず1つめに「画像選択」で確認する方法があげられます。
確認したい画像を選択したときに、何も表示されていなければ「埋め込み」です。
表面に×マークのような線が入っていれば「リンク」です。

2つめに「リンクパネル」を開いて確認する方法があげられます。
リンクパネルの画像名を確認し、
右に鎖のアイコンが表示されている場合は「リンク」(下記左の写真参考)です。
反対に、何も表示がない場合は「埋め込み」(下記右の写真参考)です。

リンクパネルはウィンドウメニューにあります。
もし見当たらない場合は、
ウィンドウメニューを開いてリンクパネルにチェックを入れると表示できます。

埋め込みとリンクは、見た目だけではどちらなのか判断がつきにくいため、
見分け方を知っておくと便利です。

判断したいときは、ここで紹介した方法で確認しましょう。

イラレの画像埋め込みでよくある質問

ここからは、画像埋め込みに関する代表的な質問にお答えします。

  • Q.埋め込み画像をリンクに戻すにはどうしたらいいですか?
  • Q.イラレで画像の埋め込みができません。考えられる原因は?
  • Q.ファイルをクラウド保存しようとしたら
    「ドキュメントにはリンクされたローカルアセットが含まれています」
    と警告が出ました。どういう意味ですか?

いずれもデザイン制作の現場でよくある質問のため、ぜひ参考にしてください。

Q.埋め込み画像をリンクに戻すにはどうしたらいいですか?

A.「埋め込み解除」を使用すれば、埋め込みからリンクに戻すことができます。

埋め込み解除の手順は、以下のとおりです。

  1. ウィンドウメニューを開いて「リンク」をクリック
  2. 開いたリンクタブの右上にある三本線をクリックして「オプション」を開く
  3. オプションのなかにある「埋め込み解除」を選択
  4. 任意の場所に保存する

データが重くて困ったときや何度も修正が必要になったときは、リンクに戻す方がよいでしょう。

Q.イラレで画像の埋め込みができません。考えられる原因は?

A.画像埋め込みができなくて困ったら、まず以下の2点を確認しましょう。

  • レイヤーパネルにロックがかかっている
  • 画像にロックがかかっている

レイヤーパネルのロックは「レイヤー」のカギマークをクリックすれば外せます。
画像にロックがかかっている場合は上部にある「オブジェクト」メニューを開き、
「すべてのロックを解除」しましょう。

レイヤーパネル・画像ともにロックがかかっていないにもかかわらず、
画像埋め込みができないときもあります。
その場合は、「画像のグループ化」や「クリッピングマスクの使用」を確認しましょう。

埋め込みたい画像がグループ化されている場合は、グループ化の解除をすれば、
埋め込み可能になります。
クリッピングマスクを使用している場合は、クリッピングマスクを解除してください。
その際は、クリッピングマスク以外の方法で画像を加工したうえで埋め込みましょう。

Q.ドキュメントにはリンクされたローカルアセットが含まれていますと警告が出ました。どういう意味ですか?

A.イラレのローカルアセットとは、PCやタブレットなど自身の端末上に存在する画像(ファイルデータ)のことです。

つまり「ファイル内の画像がリンク状態のままのため、このまま保存したら別の端末からファイルを開いた場合リンク切れを起こす恐れがある」と、警告されているのです。

入稿用のデータであれば、リンク切れで印刷会社から差し戻される原因につながりかねません。
解決策は、画像埋め込みにすることです。

イラレを使いこなして画像埋め込みをマスターしよう

イラレの画像埋め込みを上手く活用すれば、
リンク切れがなくなり、ファイル管理がしやすくなります。

使用するにはファイルサイズの重さや再配置の必要性など大切な注意点もあるため、
画像埋め込みとリンク配置を上手く使い分けることが、使いこなすポイントです。

困ったときは、本コラムのよくある質問もぜひ参考にしてください。

パネルプラスでは、イラレで作成した画像でパネルが制作できます。
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